Book Review 24-6歴史 #地政学入門 『#地政学入門』(佐藤優著)を読んでみた。 著者は作家・元外務省主任分析官。1985年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官とし…

Book Review 20-3 ミステリー #カササギ殺人事件 『#カササギ殺人事件:Magpie Murders』(#アンソニー・ホロヴィッツ著))を読んでみた(テレビドラマも鑑賞)。 著者は、シャーロック・ホームズや007の続編小説を財団公認で執筆。主要ミステリーランキン…

Book Review 20-2 ミステリー #8つの完璧な殺人 『#8つの完璧な殺人』(ピーター・スワンソン著))を読んでみた。 著者は米国出身。2014年に『時計仕掛けの恋人』でデビュー。『そしてミランダを殺す』、『ケイトが恐れるすべて』、『アリスが語らないこと…

Book Review 18-5 警察小説 #悪逆 『#悪逆』(黒川博行著)を読んでみた。最新作である。 著者の黒川 博行氏は小説家・推理作家。大阪府在住。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。妻は日本画家。『キャッツアイころがった』でサントリーミステリー大賞を…

Book Review 15-7 時代小説 # 秘太刀馬の骨 藤沢周平の時代小説がいくつか大活字本になっている。『秘太刀馬の骨』もそのうちの一つ。早速借りて読んでみた。 はじめに長男の病死以来、気鬱の病にとらわれた妻が主人公を悩ませる場面が描かれる。家庭に問題…

Book Review 33-2台湾を扱った小説 #真の人間になる(上)(下) 著者は甘耀明(カン・ヤオミン)。1972年、台湾生まれ、少数民族出身ではい。長篇小説『鬼殺し』で台北国際ブックフェア大賞などを受賞。本書は金鼎賞、台北国際ブックフェア大賞等を受賞し台湾…

Book Review 15-6 時代小説 # 蝉しぐれ 先日、妻を太極拳の講習集会へ車で送って行った際、家の鍵の携帯を忘れたため3時間ほど家に入れず、図書館で過ごすことにした。新聞を読むだけでは時間が余ってしまった。さてどうするか。短編を読むことにして、藤沢…

Book Review 24-5歴史 #科学革命の構造 『#科学革命の構造』(トマス・S・クーン著)を読んでみた。 著者は、1922年生まれで、1996年に亡くなっている。ハーバード大学で物理学を専攻。米国の大学で科学史および科学哲学の教鞭をとる。待望の日本語版新版…

Book Review 15-4 時代小説 # 神山藩シリーズ/海坂藩シリーズ 『高瀬庄左衛門御留書』、『#黛家の兄弟』、『#霜月記』(砂原浩太朗著)を読んでみた。架空の藩「神山藩」を舞台とした時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、…

Book Review 12-4 スポーツ #女性ボディ・ビル 『#我が友、スミス』(石田夏穂著)を読んでみた。著者は1991年埼玉県生まれ。東京工業大学工学部卒。本書は第166回芥川賞候補作にも選ばれた。著者もボディ・ビル・ジム通いをしている。 筋トレにはまり、ボ…

Book Review 9-22 医療 #Remember記憶の科学 『記憶の科学』(リサ・ジェノヴァ著)を読んでみた。 著者は作家、神経科学者。世界各地で神経疾患について講演を行い、数々のメディアに出演。著書『アリスのままで』(アルツハイマー病を扱った)は世界的な…

『右目でウインクができない』 ときに体の片側だけに異変が起こると訴える患者さんに出会う。 そんな思い込みもあるのかとこれまでは聞き流していた。 私の場合はどうであろう。 大学入学3日前に、右手の舟状骨を折って、3か月ギブスを巻いた。 30年前、右肩…

Book Review 33-1台湾を扱った小説 #亡霊の地 著者は1976年台湾生まれの陳思宏。ベルリンに在住。ゲイであることを公にしており、セクシュアル・マイノリティを表象した「同志文学」の書き手としても認識されている。2020年、台湾文学賞金典年度大賞と金鼎…

Book Review 24-4歴史 #帝国と亡霊、そして殺人 『#帝国と亡霊、そして殺人』(ヴァシーム・カーン著)を読んでみた。 著者は、1973年ロンドン生まれ。インドミステリを多数発表している。本書で英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー賞を受賞。 1949年…

『若い君たちに伝えたいこと』 2023年9月9日、札幌市清田区にある北嶺中学・高校生の中で医学部進学希望者を対象にした90分の講演を依頼された。 日頃受験勉強に勤しんでいる生徒たちに、受験後の生き方に参考になるよう、「専門家の知恵」という講演を行っ…

『自治医大青春白書』 卒後45年、同窓会報に原稿執筆を依頼されたため、以下の内容を送った。 □学生時代 1972年、私は自治医科大学に一期生として入学した。一期生全員の第一志望校は自治医科大学ではない。なぜなら1970年、秋田自治大臣が「医学高等専門学…

Book Review 27-4ノンフィクション #誘拐 #『誘拐』(本田靖春著)を読んでみた。著者は、朝鮮・京城府生まれ。1955年、読売新聞社に入社。直後から社会部に在籍しエース記者だった。1971年、退社。フリーでルポルタージュを執筆。第6回講談社ノンフィクシ…

Book Review 26-4ディストピア #虐殺のスイッチ 『#虐殺のスイッチ』(森達也著)を読んでみた。 著者は広島県呉市生まれ。立教大学法学部を卒業。大学では自主映画製作集団に所属。1986年テレビ映画製作会社へ転職し、後にフリーになる。オウム真理教信者…

Book Review 13-4戦争を扱った小説 #針の眼/#鷲は舞い降りた ケン・フォレットの『針の眼』とジャック・ヒギンズの『鷲は舞い降りた』を読んでみた(再読)。どちらもチャーチルとヒトラーが裏の主人公である。英国首相チャーチルとドイツ首相ヒトラーであ…

Book Review 24-3歴史 #蚊が歴史をつくった 『#蚊が歴史をつくった』(ティモシー・ワインガード著)を読んでみた。 著者は歴史学者で、大学で歴史学と政治学を教えている。陸軍将校として服務経験を持つ。 「私たち人類は、蚊と交戦中である。」で本文は…

Book Review 22-3環境 # 毒の水 『毒の水』(ロバート・ビロット著)を読んでみた。著者は米国の弁護士。PFAS曝露被害訴訟の第一人者。 デュポン社の工場排水が50年間垂れ流されて、近隣の住民・家畜に著しい健康被害が起こった。そこでデュポン社を相手…

Book Review 26-6ディストピア小説 #上海灯蛾 『#上海灯蛾』(上田早夕里著)を読んでみた。これまでは『火星ダーク・バラード』や『華竜の宮』、『リラと戦禍の風』など、SFやファンタジーが主分野。本書は『#破滅の王(2017)』、『#ヘーゼルの密書(2…

Book Review 9-21 医療 #患者の話は医師にどう聞こえるのか(What Patients Says, What Doctors Hear) 著者はダニエル・オーフリ、内科医。ニューヨーク大学医学部臨床教授。同じ著者の本、『医療エラーはなぜ起きるのか』を以前レヴューした(Book Review…

Book Review 9-20医療 #くもをさがす 『#くもをさがす』(西加奈子著)を読んでみた。著者は、父親の海外赴任地のテヘランで生まれ、イラン革命が起きた2歳のときに帰国し、大阪で育つ。『サラバ!』(2014年)で直木賞を受賞。作家として活躍しながら2019年…

Book Review 32-1心理 #悪意の科学 『#悪意の科学(SPITE and the Upside of Your Dark Side)』(サイモン・マッカーシー⁼ジョーンズ著)を読んでみた。著者はダブリン大学トリニティ・カレッジの臨床心理学と神経心理学の准教授。幻覚症状研究の世界的権…

Book Review 16-8 人物 #大塩平八郎 『#浪華燃ゆ』(伊東潤著)を読んでみた。伊東潤は、日本の歴史小説作家・ノンフィクション作家。日本推理作家協会会員。時代小説の文学賞を様々受賞している。 大塩平八郎とは何者か。江戸時代の儒学者(陽明学)で大…

Book Review 26-5 ディストピア # ショック・ドクトリン 『# ショック・ドクトリン』(ナオミ・クライン著)を読んでみた。と言っても、本書は上下二巻で、読み続けるのが大変のため、今回は『100分de名著』のテキストで代用した。著者はカナダのアーナリス…

Book Review 18-4 警察小説 #三秒間の死角 『#三秒間の死角』(アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム著)を読んでみた。 刑務所に関するドキュメンタリー番組を制作中に、二人は出会い、意気投合。共著のデビュー作『制裁』でグラスニッケル賞…

Book Review 26-4ディストピア小説 # 四書 『# 四書』(閻連科著)を読んでみた。 著者は1958年中国河南省の出身。高校を中退後、出稼ぎ労働に従事。一時人民解放軍に入隊。80年代から小説を発表、中国以外では高い評価を受けるが、国内では発禁処分。本書は…

Book Review 30-4マンガ #チ-地球の運動について- 『#チ-地球の運動について-全8巻』(魚豊著)を読んでみた。宇宙や地球について解説するNHKの番組『コズミック・フロント』で紹介されていたのでKindle版で購入してみた。内容は2020年より「ビッグコミッ…