Book Review 35-2 仕事 #舟を編む 『#舟を編む』(三浦しをん著)を読んでみた(再読)。 著者は、父親が上代文学・伝承文学研究者の三浦佑之。直木賞を受賞。本書は本屋大賞に選ばれる。 本書は辞書の編集に携わる人たちの話。一見すると小説になりそうに…

Book Review 14-3 数学 #素数の音楽 『#素数の音楽』(マーカス・デュ・ソートイ著)を読んでみた。著者はオクスフォード大学数学研究所教授。多数の専門書執筆のほか、新聞・雑誌に寄稿、BBCで数学番組を監修。本書は世界的ベストセラー。その他の著書に…

Book Review 24-8歴史 #ナチスは良いこともしたのか? 『#ナチスは良いこともしたのか?』(小野寺拓也・田野大輔著)を読んでみた。小野寺拓也氏は東京外国語大学准教授。専門はドイツ現代史。田野大輔氏は甲南大学文学部教授。専門は歴史社会学、ドイツ…

Book Review 9-27 医療 #感染症の歴史学 『#感染症の歴史学』(飯島渉著)を読んでみた。著者は青山学院大学文学部教授で、専攻は医療社会史、感染症の歴史学が専門。 本書の目的は、新型コロナのパンデミックを歴史化する試みとある。本書で扱うのは4つの…

Book Review 22-4環境 # 匂いが命を決める 『# 匂いが命を決める』(ビル・S・ハンソン著)を読んでみた。著者はスウェーデン生まれの神経行動学者。2006年よりドイツ最大の科学研究機関マックス・プランク化学生態学研究所の所長を務める。神経行動学的研究…

Book Review 9-26 医療 #おろそかにされた死因究明 『#おろそかにされた死因究明』(出河雅彦著)を読んでみた。著者は元朝日新聞青森総局長。著書に『ルポ 医療事故』(朝日新書、科学ジャーナリスト賞2009受賞)。 介護施設で食事中に突然意識がなくなっ…

Book Review 9-25 医療 #父がしたこと 『#父がしたこと』(青山文平著)を読んでみた。著者は、松本清張賞を受賞しデビュー。大藪春彦賞、直木賞、中央公論文芸賞と柴田錬三郎賞をW受賞。『半席』『本売る日々』など時代小説を執筆。 目付の主人公は、小納…

Book Review 36-1 スパイ小説 #楽園の犬 『#楽園の犬』(岩井圭也著)を読んでみた。 著者は大阪府出身。北海道大学大学院修了。「永遠についての証明」で野性時代フロンティア文学賞を受賞し作家デビュー。ほかの著書に「文身」「水よ踊れ」など。 戦時中…

Book Review 15-10 時代小説 # チンギス紀 『# チンギス紀』(北方謙三著)を読んでみた。 著者は、日本を舞台にした推理小説、歴史小説を書いた後、中国を舞台にした『楊家将』、『水滸伝』(全19巻)、『楊令伝』(全15巻)、『三国志』(全13巻)、『史記 武帝…

Book Review 30-7 マンガ #プリニウス 『#プリニウス』(ヤマザキマリ×とり・みき著)を読んでみた。 ヤマザキ マリ氏は漫画家、随筆家、画家。東京造形大学客員教授。イタリア在住。とり・みき氏は漫画家。 プリニウスについては ローマ帝国初期に活躍し…

Book Review 12-5 スポーツ サッカー 『#This is The Day』(津村記久子著)を読んでみた。著者は 『#ポトスライムの舟』で芥川龍之介賞(2009年)、最近では『#水車小屋のネネ』が話題になっている。本書は第6回サッカー本大賞を受賞した。(著者はうどん…

Book Review 9-24 医療 #ルポ 医療犯罪 『#ルポ 医療犯罪』(出河雅彦著)を読んでみた。新刊『おろそかにされた死因究明 検証:特養ホーム「あずみの里」業務上過失致死事件』が手に入らないため先に本書を読むことにした。 著者は元朝日新聞青森総局長。…

Book Review 29-2 短歌・俳句・川柳 #アボカドの種 句集『#アボカドの種』を読んでみた。 『#サラダ記念日』で与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生!と称賛された著者も還暦を迎えている。そんな近況をNHKで特集していた。 内容も恋の歌から息子との関わ…

Book Review 30-6 マンガ #PLUTO 『#「PLUTO」を漫画で読む』(浦沢直樹×手塚修著)を、有名漫画家が勧める漫画ということで読んでみた。 『PLUTO』(プルートゥ)は、手塚治虫の『鉄腕アトム』(地上最大のロボットの巻)を原作としてリメイクした作品。…

Book Review 9-23 医療 #ふつうの相談 『#ふつうの相談』(東畑開人著)を読んでみた。 著者は臨床心理学者、臨床心理士・公認心理師。専攻は精神分析と医療人類学。2022年開業。白金高輪カウンセリングルーム主宰。 本書を読んだ読者の声を聴くと、「これ…

Book Review 4-2 日本企業 #トヨトミの世襲 著者は梶山三郎氏。経済記者で、トヨトミシリーズを書くために覆面作家となっている。シリーズ前作に『#トヨトミの野望』、『#トヨトミの逆襲』がある。本作はその「完結作」と謳っている。 昨今、トヨタグルー…

Book Review 27-8ノンフィクション #農協のフィクサー 『農協のフィクサー』(千本木啓文著)を読んでみた。著者はJA グループの機関紙「日本農業新聞」の記者を経て、現在は「週刊ダイヤモンド」記者。農業特集「儲かる農業」シリーズを刊行。 参考までに…

Book Review 16-9 人物 #梅屋庄吉 『#見果てぬ王道』(川越宗一著)を読んでみた。著者の川越宗一氏は「熱源」で直木賞を受賞。著者の作品は、スケールが大きく、朝鮮半島、琉球、樺太のアイヌ、台湾等の多民族が共存する、境界の曖昧な地域や海洋の世界を…

Book Review 20-4ミステリー #ゴーン・ガール 『ゴーン・ガール』(ギリアン・フリン著)を読んでみた。著者は、米国の小説家、脚本家。 夫Nと妻Eの結婚5周年の朝。「記念日には宝探し(5か所に隠されている封筒を記憶と頼りに探す)をする」とNが双子の妹…

Book Review 35-1 仕事 #この世にたやすい仕事はない 『#この世にたやすい仕事はない』(津村記久子著)を読んでみた。 著者は、デビュー作で太宰治賞。 2009年、工場で働く若者を描いた「ポトスライムの舟」で芥川賞。短編集「浮遊霊ブラジル」で紫式部文…

Book Review 27-7ノンフィクション #二〇世紀最大の謀略 『二〇世紀最大の謀略』(落合信彦著)を読んでみた。著者の実兄は空手家で、本人も米国で空手を教えていたようだ。息子はメディアアーティスト/研究者の落合陽一。著者が落合陽一の父親と知り、本書…

Book Review 27-6ノンフィクション #シービスケット 『#シービスケット(Seabiscuit:An American Legend)』(ローラ・ヒレンブランド著)を読んでみた。著者は、本や雑誌の記事を執筆している米国人。2 冊のベストセラー・ノンフィクション本がある。 ミ…

Book Review 34-1 ナラティブ #人を動かすナラティブ 『#人を動かすナラティブ』を読んでみた。 著者は毎日新聞編集委員。2002、2003年の新聞協会賞を2年連続受賞。「対テロ戦争」の暗部をえぐり2010年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。 札幌医大在籍時…

Book Review 15-9 時代小説 # 白村江 『# 白村江』(荒山徹著)を読んでみた。 著者は読売新聞社、出版社勤務を経て作家となった。大韓民国に興味を抱き独学で韓国語を学び留学した。韓国留学経験を生かして多くの作品に朝鮮半島または朝鮮人が登場する作品…

Book Review 27-5ノンフィクション #イラク水滸伝 『#イラク水滸伝』(高野秀行著)を読んでみた。著者は、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」ノンフィクション作家である。主な著書に『アヘン王国潜入記』、『巨…

Book Review 15-8 時代小説 # チャンバラ 『# チャンバラ』(佐藤賢一著)を読んでみた。「王妃の離婚」で直木賞、「ナポレオン」で司馬遼太郎賞を受賞。 宮本武蔵といえば吉川英治となる(1935年~39年まで朝日新聞に連載された)。関ケ原の戦い(父ととも…

Book Review 24-6歴史 #地政学入門 『#地政学入門』(佐藤優著)を読んでみた。 著者は作家・元外務省主任分析官。1985年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官とし…

Book Review 20-3 ミステリー #カササギ殺人事件 『#カササギ殺人事件:Magpie Murders』(#アンソニー・ホロヴィッツ著))を読んでみた(テレビドラマも鑑賞)。 著者は、シャーロック・ホームズや007の続編小説を財団公認で執筆。主要ミステリーランキン…

Book Review 20-2 ミステリー #8つの完璧な殺人 『#8つの完璧な殺人』(ピーター・スワンソン著))を読んでみた。 著者は米国出身。2014年に『時計仕掛けの恋人』でデビュー。『そしてミランダを殺す』、『ケイトが恐れるすべて』、『アリスが語らないこと…

Book Review 18-5 警察小説 #悪逆 『#悪逆』(黒川博行著)を読んでみた。最新作である。 著者の黒川 博行氏は小説家・推理作家。大阪府在住。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。妻は日本画家。『キャッツアイころがった』でサントリーミステリー大賞を…