2023-01-01から1年間の記事一覧
Book Review 27-6ノンフィクション #シービスケット 『#シービスケット(Seabiscuit:An American Legend)』(ローラ・ヒレンブランド著)を読んでみた。著者は、本や雑誌の記事を執筆している米国人。2 冊のベストセラー・ノンフィクション本がある。 ミ…
Book Review 34-1 ナラティブ #人を動かすナラティブ 『#人を動かすナラティブ』を読んでみた。 著者は毎日新聞編集委員。2002、2003年の新聞協会賞を2年連続受賞。「対テロ戦争」の暗部をえぐり2010年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。 札幌医大在籍時…
Book Review 15-9 時代小説 # 白村江 『# 白村江』(荒山徹著)を読んでみた。 著者は読売新聞社、出版社勤務を経て作家となった。大韓民国に興味を抱き独学で韓国語を学び留学した。韓国留学経験を生かして多くの作品に朝鮮半島または朝鮮人が登場する作品…
Book Review 27-5ノンフィクション #イラク水滸伝 『#イラク水滸伝』(高野秀行著)を読んでみた。著者は、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」ノンフィクション作家である。主な著書に『アヘン王国潜入記』、『巨…
Book Review 15-8 時代小説 # チャンバラ 『# チャンバラ』(佐藤賢一著)を読んでみた。「王妃の離婚」で直木賞、「ナポレオン」で司馬遼太郎賞を受賞。 宮本武蔵といえば吉川英治となる(1935年~39年まで朝日新聞に連載された)。関ケ原の戦い(父ととも…
Book Review 24-6歴史 #地政学入門 『#地政学入門』(佐藤優著)を読んでみた。 著者は作家・元外務省主任分析官。1985年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官とし…
Book Review 20-3 ミステリー #カササギ殺人事件 『#カササギ殺人事件:Magpie Murders』(#アンソニー・ホロヴィッツ著))を読んでみた(テレビドラマも鑑賞)。 著者は、シャーロック・ホームズや007の続編小説を財団公認で執筆。主要ミステリーランキン…
Book Review 20-2 ミステリー #8つの完璧な殺人 『#8つの完璧な殺人』(ピーター・スワンソン著))を読んでみた。 著者は米国出身。2014年に『時計仕掛けの恋人』でデビュー。『そしてミランダを殺す』、『ケイトが恐れるすべて』、『アリスが語らないこと…
Book Review 18-5 警察小説 #悪逆 『#悪逆』(黒川博行著)を読んでみた。最新作である。 著者の黒川 博行氏は小説家・推理作家。大阪府在住。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。妻は日本画家。『キャッツアイころがった』でサントリーミステリー大賞を…
Book Review 15-7 時代小説 # 秘太刀馬の骨 藤沢周平の時代小説がいくつか大活字本になっている。『秘太刀馬の骨』もそのうちの一つ。早速借りて読んでみた。 はじめに長男の病死以来、気鬱の病にとらわれた妻が主人公を悩ませる場面が描かれる。家庭に問題…
Book Review 33-2台湾を扱った小説 #真の人間になる(上)(下) 著者は甘耀明(カン・ヤオミン)。1972年、台湾生まれ、少数民族出身ではい。長篇小説『鬼殺し』で台北国際ブックフェア大賞などを受賞。本書は金鼎賞、台北国際ブックフェア大賞等を受賞し台湾…
Book Review 15-6 時代小説 # 蝉しぐれ 先日、妻を太極拳の講習集会へ車で送って行った際、家の鍵の携帯を忘れたため3時間ほど家に入れず、図書館で過ごすことにした。新聞を読むだけでは時間が余ってしまった。さてどうするか。短編を読むことにして、藤沢…
Book Review 24-5歴史 #科学革命の構造 『#科学革命の構造』(トマス・S・クーン著)を読んでみた。 著者は、1922年生まれで、1996年に亡くなっている。ハーバード大学で物理学を専攻。米国の大学で科学史および科学哲学の教鞭をとる。待望の日本語版新版…
Book Review 15-4 時代小説 # 神山藩シリーズ/海坂藩シリーズ 『高瀬庄左衛門御留書』、『#黛家の兄弟』、『#霜月記』(砂原浩太朗著)を読んでみた。架空の藩「神山藩」を舞台とした時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、…
Book Review 12-4 スポーツ #女性ボディ・ビル 『#我が友、スミス』(石田夏穂著)を読んでみた。著者は1991年埼玉県生まれ。東京工業大学工学部卒。本書は第166回芥川賞候補作にも選ばれた。著者もボディ・ビル・ジム通いをしている。 筋トレにはまり、ボ…
Book Review 9-22 医療 #Remember記憶の科学 『記憶の科学』(リサ・ジェノヴァ著)を読んでみた。 著者は作家、神経科学者。世界各地で神経疾患について講演を行い、数々のメディアに出演。著書『アリスのままで』(アルツハイマー病を扱った)は世界的な…
『右目でウインクができない』 ときに体の片側だけに異変が起こると訴える患者さんに出会う。 そんな思い込みもあるのかとこれまでは聞き流していた。 私の場合はどうであろう。 大学入学3日前に、右手の舟状骨を折って、3か月ギブスを巻いた。 30年前、右肩…
Book Review 33-1台湾を扱った小説 #亡霊の地 著者は1976年台湾生まれの陳思宏。ベルリンに在住。ゲイであることを公にしており、セクシュアル・マイノリティを表象した「同志文学」の書き手としても認識されている。2020年、台湾文学賞金典年度大賞と金鼎…
Book Review 24-4歴史 #帝国と亡霊、そして殺人 『#帝国と亡霊、そして殺人』(ヴァシーム・カーン著)を読んでみた。 著者は、1973年ロンドン生まれ。インドミステリを多数発表している。本書で英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー賞を受賞。 1949年…
『若い君たちに伝えたいこと』 2023年9月9日、札幌市清田区にある北嶺中学・高校生の中で医学部進学希望者を対象にした90分の講演を依頼された。 日頃受験勉強に勤しんでいる生徒たちに、受験後の生き方に参考になるよう、「専門家の知恵」という講演を行っ…
『自治医大青春白書』 卒後45年、同窓会報に原稿執筆を依頼されたため、以下の内容を送った。 □学生時代 1972年、私は自治医科大学に一期生として入学した。一期生全員の第一志望校は自治医科大学ではない。なぜなら1970年、秋田自治大臣が「医学高等専門学…
Book Review 27-4ノンフィクション #誘拐 #『誘拐』(本田靖春著)を読んでみた。著者は、朝鮮・京城府生まれ。1955年、読売新聞社に入社。直後から社会部に在籍しエース記者だった。1971年、退社。フリーでルポルタージュを執筆。第6回講談社ノンフィクシ…
Book Review 26-4ディストピア #虐殺のスイッチ 『#虐殺のスイッチ』(森達也著)を読んでみた。 著者は広島県呉市生まれ。立教大学法学部を卒業。大学では自主映画製作集団に所属。1986年テレビ映画製作会社へ転職し、後にフリーになる。オウム真理教信者…
Book Review 13-4戦争を扱った小説 #針の眼/#鷲は舞い降りた ケン・フォレットの『針の眼』とジャック・ヒギンズの『鷲は舞い降りた』を読んでみた(再読)。どちらもチャーチルとヒトラーが裏の主人公である。英国首相チャーチルとドイツ首相ヒトラーであ…
Book Review 24-3歴史 #蚊が歴史をつくった 『#蚊が歴史をつくった』(ティモシー・ワインガード著)を読んでみた。 著者は歴史学者で、大学で歴史学と政治学を教えている。陸軍将校として服務経験を持つ。 「私たち人類は、蚊と交戦中である。」で本文は…
Book Review 22-3環境 # 毒の水 『毒の水』(ロバート・ビロット著)を読んでみた。著者は米国の弁護士。PFAS曝露被害訴訟の第一人者。 デュポン社の工場排水が50年間垂れ流されて、近隣の住民・家畜に著しい健康被害が起こった。そこでデュポン社を相手…
Book Review 26-6ディストピア小説 #上海灯蛾 『#上海灯蛾』(上田早夕里著)を読んでみた。これまでは『火星ダーク・バラード』や『華竜の宮』、『リラと戦禍の風』など、SFやファンタジーが主分野。本書は『#破滅の王(2017)』、『#ヘーゼルの密書(2…
Book Review 9-21 医療 #患者の話は医師にどう聞こえるのか(What Patients Says, What Doctors Hear) 著者はダニエル・オーフリ、内科医。ニューヨーク大学医学部臨床教授。同じ著者の本、『医療エラーはなぜ起きるのか』を以前レヴューした(Book Review…
Book Review 9-20医療 #くもをさがす 『#くもをさがす』(西加奈子著)を読んでみた。著者は、父親の海外赴任地のテヘランで生まれ、イラン革命が起きた2歳のときに帰国し、大阪で育つ。『サラバ!』(2014年)で直木賞を受賞。作家として活躍しながら2019年…
Book Review 32-1心理 #悪意の科学 『#悪意の科学(SPITE and the Upside of Your Dark Side)』(サイモン・マッカーシー⁼ジョーンズ著)を読んでみた。著者はダブリン大学トリニティ・カレッジの臨床心理学と神経心理学の准教授。幻覚症状研究の世界的権…