2024-01-01から1年間の記事一覧

Book Review 16-10 人物 #吉本隆明 『#隆明だもの』(ハルノ宵子著)を読んでみた。著者は漫画家。父親は吉本隆明氏。妹は小説家の吉本ばなな氏。母の和子も俳人である。 365日、毎日夜中に欠かさず(父親が危篤であっても)近所の猫の生態観察をしていた…

Book Review 36-1 殺人 #手紙 『#手紙』(東野圭吾著)を読んでみた。本書は犯罪加害者の親族の視点に立って、その心情の動向を丹念に追った作品である。 2001年7月1日から2002年10月27日まで「毎日新聞」日曜版に連載された。 著者は、1985年、『放課後』…

Book Review 13-5戦争を扱った小説 #襲撃 『#襲撃』(ハリー・ムリッシュ著)を読んでみた。著者は、1927年オランダ生まれ。父は第二次世界大戦下、ユダヤ人からの没収財産を管理する銀行の頭取を務め、戦後、対独協力者として3年間投獄されている。一方、…

Book Review 9-28 医療 #「いのち」の現場でとまどう 『#「いのち」の現場でとまどう』(徳永進著)を読んでみた。著者は鳥取県生まれ。京都大学医学部卒業。鳥取赤十字病院で内科医。1982年、『死の中の笑み』で講談社ノンフィクション賞受賞。終末期医療の…

Book Review 35-2 仕事 #舟を編む 『#舟を編む』(三浦しをん著)を読んでみた(再読)。 著者は、父親が上代文学・伝承文学研究者の三浦佑之。直木賞を受賞。本書は本屋大賞に選ばれる。 本書は辞書の編集に携わる人たちの話。一見すると小説になりそうに…

Book Review 14-3 数学 #素数の音楽 『#素数の音楽』(マーカス・デュ・ソートイ著)を読んでみた。著者はオクスフォード大学数学研究所教授。多数の専門書執筆のほか、新聞・雑誌に寄稿、BBCで数学番組を監修。本書は世界的ベストセラー。その他の著書に…

Book Review 24-8歴史 #ナチスは良いこともしたのか? 『#ナチスは良いこともしたのか?』(小野寺拓也・田野大輔著)を読んでみた。小野寺拓也氏は東京外国語大学准教授。専門はドイツ現代史。田野大輔氏は甲南大学文学部教授。専門は歴史社会学、ドイツ…

Book Review 9-27 医療 #感染症の歴史学 『#感染症の歴史学』(飯島渉著)を読んでみた。著者は青山学院大学文学部教授で、専攻は医療社会史、感染症の歴史学が専門。 本書の目的は、新型コロナのパンデミックを歴史化する試みとある。本書で扱うのは4つの…

Book Review 22-4環境 # 匂いが命を決める 『# 匂いが命を決める』(ビル・S・ハンソン著)を読んでみた。著者はスウェーデン生まれの神経行動学者。2006年よりドイツ最大の科学研究機関マックス・プランク化学生態学研究所の所長を務める。神経行動学的研究…

Book Review 9-26 医療 #おろそかにされた死因究明 『#おろそかにされた死因究明』(出河雅彦著)を読んでみた。著者は元朝日新聞青森総局長。著書に『ルポ 医療事故』(朝日新書、科学ジャーナリスト賞2009受賞)。 介護施設で食事中に突然意識がなくなっ…

Book Review 9-25 医療 #父がしたこと 『#父がしたこと』(青山文平著)を読んでみた。著者は、松本清張賞を受賞しデビュー。大藪春彦賞、直木賞、中央公論文芸賞と柴田錬三郎賞をW受賞。『半席』『本売る日々』など時代小説を執筆。 目付の主人公は、小納…

Book Review 36-1 スパイ小説 #楽園の犬 『#楽園の犬』(岩井圭也著)を読んでみた。 著者は大阪府出身。北海道大学大学院修了。「永遠についての証明」で野性時代フロンティア文学賞を受賞し作家デビュー。ほかの著書に「文身」「水よ踊れ」など。 戦時中…

Book Review 15-10 時代小説 # チンギス紀 『# チンギス紀』(北方謙三著)を読んでみた。 著者は、日本を舞台にした推理小説、歴史小説を書いた後、中国を舞台にした『楊家将』、『水滸伝』(全19巻)、『楊令伝』(全15巻)、『三国志』(全13巻)、『史記 武帝…

Book Review 30-7 マンガ #プリニウス 『#プリニウス』(ヤマザキマリ×とり・みき著)を読んでみた。 ヤマザキ マリ氏は漫画家、随筆家、画家。東京造形大学客員教授。イタリア在住。とり・みき氏は漫画家。 プリニウスについては ローマ帝国初期に活躍し…

Book Review 12-5 スポーツ サッカー 『#This is The Day』(津村記久子著)を読んでみた。著者は 『#ポトスライムの舟』で芥川龍之介賞(2009年)、最近では『#水車小屋のネネ』が話題になっている。本書は第6回サッカー本大賞を受賞した。(著者はうどん…

Book Review 9-24 医療 #ルポ 医療犯罪 『#ルポ 医療犯罪』(出河雅彦著)を読んでみた。新刊『おろそかにされた死因究明 検証:特養ホーム「あずみの里」業務上過失致死事件』が手に入らないため先に本書を読むことにした。 著者は元朝日新聞青森総局長。…

Book Review 29-2 短歌・俳句・川柳 #アボカドの種 句集『#アボカドの種』を読んでみた。 『#サラダ記念日』で与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生!と称賛された著者も還暦を迎えている。そんな近況をNHKで特集していた。 内容も恋の歌から息子との関わ…

Book Review 30-6 マンガ #PLUTO 『#「PLUTO」を漫画で読む』(浦沢直樹×手塚修著)を、有名漫画家が勧める漫画ということで読んでみた。 『PLUTO』(プルートゥ)は、手塚治虫の『鉄腕アトム』(地上最大のロボットの巻)を原作としてリメイクした作品。…

Book Review 9-23 医療 #ふつうの相談 『#ふつうの相談』(東畑開人著)を読んでみた。 著者は臨床心理学者、臨床心理士・公認心理師。専攻は精神分析と医療人類学。2022年開業。白金高輪カウンセリングルーム主宰。 本書を読んだ読者の声を聴くと、「これ…

Book Review 4-2 日本企業 #トヨトミの世襲 著者は梶山三郎氏。経済記者で、トヨトミシリーズを書くために覆面作家となっている。シリーズ前作に『#トヨトミの野望』、『#トヨトミの逆襲』がある。本作はその「完結作」と謳っている。 昨今、トヨタグルー…

Book Review 27-8ノンフィクション #農協のフィクサー 『農協のフィクサー』(千本木啓文著)を読んでみた。著者はJA グループの機関紙「日本農業新聞」の記者を経て、現在は「週刊ダイヤモンド」記者。農業特集「儲かる農業」シリーズを刊行。 参考までに…

Book Review 16-9 人物 #梅屋庄吉 『#見果てぬ王道』(川越宗一著)を読んでみた。著者の川越宗一氏は「熱源」で直木賞を受賞。著者の作品は、スケールが大きく、朝鮮半島、琉球、樺太のアイヌ、台湾等の多民族が共存する、境界の曖昧な地域や海洋の世界を…

Book Review 20-4ミステリー #ゴーン・ガール 『ゴーン・ガール』(ギリアン・フリン著)を読んでみた。著者は、米国の小説家、脚本家。 夫Nと妻Eの結婚5周年の朝。「記念日には宝探し(5か所に隠されている封筒を記憶と頼りに探す)をする」とNが双子の妹…

Book Review 35-1 仕事 #この世にたやすい仕事はない 『#この世にたやすい仕事はない』(津村記久子著)を読んでみた。 著者は、デビュー作で太宰治賞。 2009年、工場で働く若者を描いた「ポトスライムの舟」で芥川賞。短編集「浮遊霊ブラジル」で紫式部文…

Book Review 27-7ノンフィクション #二〇世紀最大の謀略 『二〇世紀最大の謀略』(落合信彦著)を読んでみた。著者の実兄は空手家で、本人も米国で空手を教えていたようだ。息子はメディアアーティスト/研究者の落合陽一。著者が落合陽一の父親と知り、本書…