Book Review 29-2 短歌・俳句・川柳 #アボカドの種
句集『#アボカドの種』を読んでみた。
『#サラダ記念日』で与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生!と称賛された著者も還暦を迎えている。そんな近況をNHKで特集していた。
内容も恋の歌から息子との関わりや病気、老年の生き方に変わってきている。(歌の内容から推察するに胃のリンパ腫に罹患したようだ)。
その中からから数句
「息子十九「プロフェッショナル」出演の 打診をすれば秒で断る」
「アボカドのサラダ作ってあげること もうないだろうレシピ聞かれる」
「放射線からだに降らすこの春の 白湯と桜の日々をいつくしむ」
「息子から連絡はなく母の日は 私が母を思う日とする」
「日が昇るラッキーセブンの幸せの 東病棟748号」
「遺伝子がコピーミスしてDANCERが CANCERになる如月の夜」
妻は、毎日新聞の川柳欄(万柳)に投稿を続けている。5か月間掲載がなかったが、最近秀逸で載った。その句が「さきに見て 載ってないねと 言わないで」。丁度誕生日頃だったので、バラを抱えた夫婦写真と句の掲載をLINEで知らせたら、写真家である長女から「関係性と状況と心情」が出ていると評価された。写真もそんなことを考えて撮っているのか。