Book Review 29-1 短歌・俳句・川柳 #サラダ記念日/短歌ください
『#短歌ください 海の家でオセロ編』(穂村弘編)を読んでみた。毎回のテーマに沿った投稿作品と自由題作品の中から、編者がこれはと思った歌を選んでいる。本書は単行本第5弾だそうだ。
そのなかから、
注射で一句
「天井に風船浮かぶ診察室 待つ子と同じ数だけ」(愛知淑子)
筋肉で一句
「ゴキブリが好きな匂いと書いてある とてもいい匂いのする薬(たろりずむ)
NHKのクローズアップ現代(2023年3月14日)で短歌を作る若者たちを特集していた。#短歌、#tankaで検索するとたくさんヒットする。投稿された歌に返歌をして、人間交流が深まっているそうだ。
また、同じくNHKで俵万智の特集を放映していた。そこで手元にある『#サラダ記念日』と『#チョコレート革命』も数十年ぶりに読んでみた。本の帯に「万葉集もなんのその、与謝野晶子以来の大型新人類歌人誕生!」とある。
『サラダ記念日』から一句
「「この味がいいね」と君が言ったから 七月六日はサラダ記念日」
ジャズコンサートから一句
「昨晩のジャズのうねりの埋め火の 耳のまん中むずがゆき朝」
野球ゲームから一句
「嫁さんになれよだなんてカンチューハイ 二杯で言ってしまっていいの」
『チョコレート革命』から一句
「午前四時夢の続きを抱き合えば 少し濃くなる我の輪郭」
我が家は俳句の番組『プレバト』を毎週観ている。妻は俳句の本を買って散歩しながら俳句を詠んでいた。それがいつの間にか川柳に嵌って、毎日新聞の川柳欄(万柳)に投稿を続けている。なかなか載らないね、などと言っていたのだが、それが、2023年3月22日、(日本の野球チームがWBCで優勝した日に)目出度く掲載になった。
その句が「秘蔵酒を 酢の空ビンに 詰め替える」。(妻が買い置きしていた日本酒を、私に飲まれてしまうので、醬油の瓶に詰め替えていたという事実を元に作成)。妻はLINEで万歳(絵文字)と叫んでいる。
何と翌日も掲載。「偵察は やめてねパンダ 返すから」。
お祝いにバラでも買っていこう。
老後のボケ防止によいかもしれないが、私は短歌も俳句も川柳も作れないまま今に至っている。今日から川柳でも始めるか。