2023-01-01から1年間の記事一覧

第32回北海道GIM研究会 2023年2月25日、北海道GIM研究会にwebで参加した。 症例1例目 脳膿瘍(MSSA)+メラノーマ再発。 2例目は「腎盂腎炎のふれ込みで紹介になった高齢女性」 発表は同門の杉本医師(道立江差病院勤務)、指導は杉原医師。不明熱の鑑別病…

Book Review 27-2ノンフィクション #虚ろな革命家たち 『虚ろな革命家たち』(佐賀旭著)を読んでみた。第20回開高健ノンフィクショイン賞受賞。 高校3年生の冬(1972年2月28日)、大学受験を終えて下宿に戻るとおばさんが一日中テレビに噛り付いていた。世…

Book Review 28-1 # SF ゲームの王国 『ゲームの王国』(小川哲著)を読んでみた。第38回日本SF大賞受賞、第31回山本周五郎賞受賞。 本書を読む前に、同じ著者の『地図と拳』、『君のクイズ』を読んでいた。『地図と拳』では体温に興味を示し、母親がその興…

Book Review 27-1ノンフィクション # 黒い海 『黒い海』(伊澤理江著)を読んでみた。 著者は、現在はネットメディア、新聞、ラジオ等で取材・執筆活動を行っている。英国ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。 本書は、日本の重大…

Book Review 15-2歴史小説 # 友よ 『友よ』(赤神諒著)を読んでみた。 著者は『大友二階崩れ』、『大友の聖将』、『大友落月記』で、西の大国・大友氏の国を揺るがすお家騒動の中で、「義」を愚直なまでに貫こうとした家臣の行動を描いて感動を呼んだ。 本…

Book Review 26-1ディストピア # AI監獄ウイグル 『AI監獄ウイグル』(ジェフリー・ケイン著)を読んでみた。著者は米国人の調査報道ジャーナリスト。アジアと中東地域を取材し、多数の雑誌・新聞に寄稿している。 本書を読むと中国の漢民族以外の居住地がデ…

Book Review 25-1 音楽 # ページをめくるとジャズが聞こえる 『ページをめくるとジャズが聞こえる』(村井康司著)を読んでみた。 著者は函館出身。大学時代はジャズ・ビッグバンドでギターと編曲を担当。大学音楽表現学科講師。 久しぶりに札幌中央図書館に…

Book Review 19-2絵本 # てぶくろ 『てぶくろ』(ウクライナ民話)を読んでみた。本書は、2022年のロシアのウクライナ侵攻で、注目を浴びているようだ。 話の筋は、おじいさんの落とした片方の手袋に「ぼくも入れて」と次々に鼠、蛙、兎、狐、狼、猪と順に入…

Book Review 24-1 歴史 # 人類の起源 『人類の起源』(篠田謙一著)を読んでみた。 2022年のノーベル生理学・医学賞が、DNAを用いた人類遺伝研究者(ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ博士)に贈られたことは記憶に新しい。4万…

Book Review 23-1 日常の謎 # 中野のお父さんの快刀乱麻 『中野のお父さんの快刀乱麻』(北村薫著)を読んでみた。 編集者として働く女性が出会った日常の謎や文学の謎を中野に住む父親が解決するシリーズ。現在、3冊出版されている。『中野のお父さん』、…

Book Review 22-1環境 # サイレント・アース 『サイレント・アース』(ディブ・グールソン著)を読んでみた。副題は昆虫たちの「沈黙の春」だ。「昆虫が消えたら、世界は動きを止める」 『沈黙の春』といえば、レーチェル・カーソン(1907-1964年)。海洋生…

Book Review 21-1家族 # ラスト・チャイルド 『ラスト・チャイルド』(ジョン・ハート著)を読んでみた。本書は英国推理作家協会最優秀スリラー賞を受賞。 主人公の13歳の少年が、行方不明になった双子の妹を1年間探し続けている。父親も妹がいなくなったあ…

Book Review 20-1 ミステリー # ミスティック・リバー 『ミスティック・リバー』(デニス・ルヘイン著)を読んでみた。2001年出版。 帯の文句がすごい。「この一冊がミステリを変えた」「もうルヘインなしでは生きられない(S.キング)」「必読の一冊。なん…

Movie Review 2 # ドライブ・マイ・カー 『ドライブ・マイ・カー(濱口竜介監督)』のDVDを購入し鑑賞した。 村上春樹原作を映画化し、第74回カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞と知ったのが鑑賞のきっかけである。DVDを購入したが、時間が取れず、先に原作を読む…

Book Review 16-5人物 # 古今亭志ん生 『なめくじ艦隊』(1953年発行)を読んでみた。本書は弟子の初代金原亭馬の助による聞き書きである。 古今亭志ん生は1890年の生まれ。本名は美濃部孝蔵。美濃部家は徳川直参旗本であった。博打や酒に手を出し、放蕩生活…

Book Review 16-4人物 # 西川一三 『天路の旅人』(沢木耕太郎著)を読んでみた。著者は有名なルポライター。『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、『一瞬の夏』で新田次郎文学賞を受賞。その後、『深夜特急』シリーズで紀行文を出版し、多大な読…

Book Review 16-3 人物 # 尾崎放哉(おざき ほうさい) 『海も暮れきる』(吉村昭著)を読んでみた。 尾崎放哉の人生をまとめると、「酔漢」「結核」「自由律俳句」となろう。著者の吉村昭氏も青年期に結核で生死の境を彷徨ったため、尾崎放哉に興味をもったよ…