Book Review 19-2絵本 # てぶくろ

 

『てぶくろ』(ウクライナ民話)を読んでみた。本書は、2022年のロシアのウクライナ侵攻で、注目を浴びているようだ。

話の筋は、おじいさんの落とした片方の手袋に「ぼくも入れて」と次々に鼠、蛙、兎、狐、狼、猪と順に入っていく。最後が熊。おじいさんが手袋を落としたのに気づいて、犬と一緒に探しに行って「わん、わん、わん」と吠えると驚いて動物たちは森に逃げていった。

 いろいろな解釈があるようだ。「いろんな動物が手袋に入ることで共生について考えさせられた」、「複雑に絡み合った大人の事情や理屈ではなくて、本当に大切なもの、命や平和について思いをはせるきっかけ、それが絵本になったらいいなと思っています。」、手袋は暖かいから「手袋=家庭」,「手袋=幸せ」

 

ロシアを熊に見立て、仲良く暮らしている動物たちのところへ押しかけてゆくという話かと思ったら、小さな手袋に動物たちが次々と入り込んで仲良く暮らすというファンタジックで、共生を感じさせる内容が子供たちに受けるようだ。

 

2022年2月24日以後の読者はどう読むのだろうか。