Book Review 21-1家族 # ラスト・チャイルド

 

『ラスト・チャイルド』(ジョン・ハート著)を読んでみた。本書は英国推理作家協会最優秀スリラー賞を受賞。

主人公の13歳の少年が、行方不明になった双子の妹を1年間探し続けている。父親も妹がいなくなったあと忽然と姿を消し、母親と主人公の二人となる。母親は、土地の有力者の愛人になり、薬づけの毎日を送っている。この事件を切っ掛けに関する家庭が崩壊してしまっている。

妹の死亡、母親の薬物依存、父親の失踪。子供の失踪が相次ぎ、さらに複数の遺体の発見。異常犯罪者の犯行が浮上。

 

これで読者は気持ちのよい結末を期待できるのか。なんと謎が解明され、それなりの読後感が得られるのである。崩壊した家族が別のかたちで再生しそうな予感を抱かせる。

 

タイトルになっている「ラスト・チャイルド」とは誰なのか。

 

デビュー作『キングの死』、次作の『川は静かに流れ』(最優秀長編賞)も読んでみよう。