Book Review 30-3マンガ #ぼけ日和

『#ぼけ日和』(矢部太郎著、長谷川嘉哉原案)を読んでみた。

矢部太郎氏。芸人かつマンガ家。『大家さんと僕』で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。長谷川 嘉哉氏。名古屋市立大学医学部卒業。認知症専門医。

『大家さんと僕』は、大家さんとの日常を描いて、ほのぼのとした幸せな気分を醸し出している。

本書は、認知症患者とその家族の日常を、進行具合を四季(春・夏・秋・冬)に分けて描いている。長谷川医師の母親介護の体験や認知症診療の経験を活かして、診察室での応対や家庭での家族とのやりとりをユーモラスに描いている。物とられ妄想は一番身近な人を犯人にするらしい(一番の看護者には「お金盗ったで賞」を授与)。進行することによる認知症患者の変化や、介護する側の対応や覚悟がわかるようになっている。難しい医学書を読むよりもこのマンガを読むこと(30分で読める)で、認知症患者を抱える家族の現在・将来の不安が、きっと減るだろうと思う。