Book Review 25-4 ストリート・アート #イッツ・ダ・ボム

 

『#イッツ・ダ・ボム』(井上先斗著)を読んでみた。

 

著者は2024年本書で第31回松本清張賞を受賞しデビュー。

 

街中の違法な落書き(ストリート・アート)が芸術になった?本書はその点に焦点を当てている。世界で一番有名なのはバンクシーであろう。

 

本書は、日本のストレート・アーティストについて書かれたものである。読んでいると耳慣れない言葉が出て来る。「グラフィティ graffiti」とは、主にエアゾールスプレーやマーカーを用いて街に書かれた名前や絵柄のこと。「俺はここにいるぞ」という叫びだそうだ。「ボム bomb」とは、街にグラフィティを書いたり、ステッカーを貼ったりする行為、またはその痕跡。特に違法に行われるものを指す。

第一部は「日本のバンクシー」として注目されているBR(黒い蓮)を探して、記事にする話。

 

第二部は、20年近くストリートに立っているグラフィティライターが、ある晩、違法なステッカーをボムっている青年と出会う。彼から宣戦布告を突き付けられる。

 

手短に理解するために、『バンクシー 抗うものたちのアート革命』(2023年)という映画をamazon prime videoで視聴した。ストリート・アートの歴史やバンクシーのことが2時間で把握できるように作られている。好きで街中に非合法で絵を描いていたものが、反体制的色彩を帯びて、徐々に大衆や美術界で評価されてゆく経過を映像化している。

 

バンクシー(Banksy)とは、素性不明のアーティスト、政治活動家、映画監督(ドキュメンタリー江映画『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』を制作)。彼の政治的および社会的批評の作品は、世界中の街路、壁、橋に描かれている。作品として有名なのは、バスルームの窓からぶら下がる裸の男(2006年)、パレスチナ分離壁に描いた子供が壁に穴を開けている様子や穴の開いた壁から見えるビーチなど9つの絵(2005年)。『赤い風船に手を伸ばす少女』(2018年10月7日にサザビーズ・オークションへ出品されて約1億5千万円で落札された直後、額縁に仕掛けられたシュレダーが作動して作品は切断された。このシュレダーされた絵(『愛はごみ箱の中に』に改題)はその後28億8千万円で落札された)。

 

信念をもって取り組めば世界は変えられる。