2022-12-06から1日間の記事一覧

Book Review 9-11 医療 The Reflective Practitioner: How Professionals Think in Action.1983年に出版。 『専門家の知恵』(ドナルド・ショーン著)を再読してみた。教育学者(東京大学教授)である佐藤学氏の翻訳であるが、全訳ではなく、理論の中核が提…

Book Review 9-10 医療 The Healer’s Art 『医者と患者(The Healer’s Art : A New Approach to the Doctor-Patient Relationship)』(Eric J. Cassell著)を読んでみた。著者は1928年生まれ- 2021年没。内科医。 著者は医学的技術進歩を否定するものではな…

Book Review 9-10 『決められない患者たち(Your Medical Mind : How to decide what is right for you)』(Jerome Groopman & Pamela Hartzband著)を読んでみた。翻訳者は堀内志奈さんで、札幌医科大学卒だそうだ。 本書は治療すべきかどうかについて悩…

Book Review 9-8 『医者は現場でどう考えるか』(Jerome Groopman著)を15年ぶりに再読した。 著者はN Engl Med Jの編集者を歴任している。私は札幌医大在籍中に原著(How Doctors Think, 2007年)で読んで、内容の一部を学生講義に用いていたが、最近、翻…

Book Review 9-7 最近、誤診に関する本がたくさん出版されている。そこで、『Diagnosis: interpreting the shadows』を読んでみた。その翻訳本「誤診はなくせるのか?」と併せて購入した(ブックレビューで翻訳が稚拙と評価されていたため、原書と翻訳本を購…

Book Review 9-6 『誤診の解体』(Pat Croskerry著)を読んでみた。 最近、誤診についての本が多数出版されている。「診断の改善」は近年世界の医療全体が取り組むべき課題と言われている。この10年でこの領域のキーワードは「診断エラー」であり,人間の認…

Book Review 9-5 『病いの会話』(中村友香著)を読んでみた。これは京都大学大学院のアジア・アフリカ地域研究科で作成した博士論文をもとに書籍化したものである。 医療人類学は日本では多くの医学部で教えられていない。私は、義務年後に自治医科大学大宮…

Book Review 9-4 『グレート・インフルエンザ』(ジョン・バリー著)を読んでみた。 第一次大戦時にスペイン風邪が人類を襲った。スペイン風邪と一般的に言うが、本書はグレート・インフルエンザとしている。 そのころ日本ではどうだったのかは、『感染症の…

Book Review 9-3 『最悪の予感 パンデミックとの闘い』(マイケル・ルイス著)を読んでみた。 本書は現在進行形の新型コロナウイルス感染症への米国の対応を描いている。この対策チームの中心人物だった二人の医師を中心に進むスリリングなノンフィクション…

Book Review 9-2 『診断』(リサ・サンダース著)を読んでみた。 これも前作と同様ニューヨーク・タイムズ・マガジンに掲載された医学に関する連載コラム記事である。今回はすべて洛和会音羽病院長の松村理司氏が翻訳にあたっている(NHKの「ドクターG」の…

Book Review 9-1 『患者はだれでも物語る』(リサ・サンダース著)を読んでみた。 これはニューヨーク・タイムズ・マガジンに掲載された医学に関する本当にあった話を一般読者向けに集めた記事である。 早速、症例をみてみよう。 症例1 22歳女性。主訴は「…