2022-11-21から1日間の記事一覧

Lecture 1&2 についての質疑応答 ○○さんへ ご質問、ありがとうございます。 Q;先生の視点から、今の医学の教育の弱点は? A;根本的問題は、大学にいる教官が、臨床医の立場を優先して、自分たちに教育者という自覚がないことです。それゆえ、教育準備に時間…

Lecture 2-4 科学性と人間性 若者へのメッセージ 大きな食卓の上にたくさんのご馳走が並んでいるが、1メートルもある長い箸が人々の右手にくくりつけられている。この状況は天国も地獄も同じである。天国の人たちは笑顔で、地獄の人たちは苛ついている。その…

Lecture 2-3 科学性と人間性 事例を紹介しよう。60歳の女性が配偶者同伴で受診した。失神発作が起こり、検査の結果、不整脈が原因と判明した。ペースメーカー挿入直後は順調であったが、失神が再発しペースメーカーに不具合があることが判明する。その後、さ…

Lecture 2-2 科学性と人間性 日本以外の医師の診療についての考察を見てみよう。60歳代男性で右手関節痛が主訴である。10年前より、タイプを打つと痛む。右手をドアに挟まれた既往があり医師で著述業でもある。4人の専門医にかかっている。一人目は手の専門…

Lecture 2-1 科学性と人間性 まず、医学雑誌について述べた。医学雑誌の症例報告は苦しんでいる人を必要とする。しかし、科学性を重視するあまり、患者さんの主観的な訴えは省略される。記載された人々の個別的な苦しみは認知されえない。神経内科医で有名な…

Lecture 1-2 社会と医療 ここからは医療の話。「記名力低下、集中力低下で神経内科を受診した38歳の男性。会計士をしていたが、仕事の能率が悪くなり解雇された。6ヶ月前から記名力が低下してきたと妻や友人は証言した。不眠で、夜間足がピクツク。15歳時…

Lecture 1-1 社会と医療 毎年1回、某大学4学年生への講義を4コマ(75分×4)行っている。2020年度はコロナウイルス蔓延の影響で、リモート参加ありの変則で行われたため、教室で受講したものは20名程度であった。 内容は、「社会と医療」、「科学性と人間性…

Book Review 15-1時代小説 真田太平記 『真田太平記 全16冊』(池波正太郎著)を再読してみた。 著者は「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の三大シリーズをはじめとする膨大な作品群が絶大な人気を博している。『定年後読みたい文庫100冊』の著…